独学で他大学・他分野の大学院受験に合格した勉強法。

他大学・他分野の大学院への進学を目指している方は、きっと勉強方法で悩むことがあるのではないでしょうか。

特に他分野への転向を希望する場合は、独学で学習することになるので本当に大変ですよね。

私も学生時代には同じことで悩んでいました。

 

結局、試行錯誤しながら様々なことに取り組み、決して一流とは言えない私立大学の教育系学部から、国立大学の他分野(理系)の大学院に合格することができました。

そこで、ここでは私が独学で他大学かつ他分野の大学院に合格した勉強法をお伝えします。

 

Hucho
他大学や他分野の大学院へ進学するのは、決して難しいことではありません。

ぜひ、みなさん頑張って合格を目指してください。

 

 この記事の要約

①シラバスを調べる。
②授業テキストと参考書を調べる。
③過去問を入手する。
④指導教員に直接聞いてみる。

⑤英語試験対策
⑥面接試験対策
⑦他大学・他分野の大学院を目指す人が読むべき本

 

①シラバスを調べる。

まずは進学希望先の大学の学部(大学院ではない)では、どのような授業が開講されているのか調べてみましょう。

多くの大学では、シラバスがインターネット上で公開されています。

シラバスの検索方法は、検索エンジンで「○○大学 ××学部 シラバス」と入力すれば簡単に出てきます。

この時に重要なのが、大学院ではなく学部のシラバスを見ることです。

何故なら、院試の試験範囲は学部レベルの授業内容から出題されるためです。

 

②テキストと参考書を調べる。

シラバスを見つけたら、記載されているテキストや参考書を見つけましょう。

そこに書かれているテキストや参考書が、そのまま独学で勉強する際の参考書になります。

また、参考書のすべてを網羅して勉強するのは効率が悪いため、授業計画で各回の講義内容に取り入れられている単元を優先して学習するのが良いと思います。

院試の問題は大抵は、内部進学生を対象に作成されていますので、授業内容に取り入れられていない単元は、後回しでも構いません。

 

③過去問を入手する。

これは非常に重要です。

過去問からは、実際の出題範囲の範囲だけでなく、出題傾向を把握することができます。

大学院の中には、院試の過去問を公開している場合がありますので、大学院の公式サイトからダウンロードできないか調べてみましょう。

また、インターネットで公開されていなくても、慣習の古い大学では学部の教務課や学務係で保管されていて、希望すればコビーが可能な場合がありますので、電話をして確かめてみてください。

私の場合は、こちらのパターンでした。

 

なお、大学院の試験では自分の専攻希望科目に加えて、複数の専門科目の中から数科目を選択して受験するのが一般的であると思います。

しかし、これがなかなか厄介で、問題を作成する教員の裁量によって、出題内容が大きく異なります。

主なものは学部の定期試験のような形式で、穴埋め問題や資料の読み解き、選択式の問題で問われます。

これは参考書の学習次第で対策できるのですが、問題となるのは論述式の問題です

こちらはとにかく事前に出題傾向を把握して対策するしかありません。

そのために重要となるのが、次に記す「指導教員に直接聞く」ということです。

 

ちなみに、私が受験したときの専攻科目の問題は「〇〇の胚発生について説明せよ」とたった一言だけ書いてありました。

 

④指導教員に直接聞いてみる。

外部進学する場合には研究室訪問が必須となりますので、同時に指導を希望する教員に出題範囲について直接聞いてみるのも良いでしょう。

研究室訪問のアポイントメントの取り方は、大学院のホームページに所属教員一覧が掲載されていますので、そこからメールで連絡をしてみてください。

個人や研究室のWEBサイトを作成している教員の場合は、そちらのお問い合わせフォームを利用しても良いかもしれません。

大学院への進学は基本的には学部からの内部進学者が主なため、教員はその年の受験者の卒業研究の内容などに合わせて出題するパターンが多いようです。

私が入手した過去問では、年度よって出題傾向のバラつきが大きかったため、指導予定の教員に直接確認をしたのが功を奏しました。

専攻科目について「入学試験ではどのような出題を検討されていますか」と聞いておけば、具体的な内容までは教えてもらえなくとも、「〇〇については良く理解しておいて」とか「この参考書をひと通り勉強しておくように」など具体的なアドバイスが得られるはずです。

 

⑤英語対策

ほとんどの大学院では、英語試験が設けられています。

最近では、多くの大学院がTOEICのスコア提出を求めていますので、最も効果的な対策は学部在学中にTOEICを受験しておくことでしょう。

私は英語が苦手だったので、英会話スクールのTOEIC対策コースを受講したりしていました。

特にTOEICは英語力に関係なく、解答技術を学べば700点程度なら比較的簡単に取れます。

こちらのシリーズの参考書が解答技術を学ぶのにはおすすめです。

 

一方で、独自の英語試験を課す大学院もあります。

仮に付け焼刃の英語力で院試をパスできても、その後の研究では英語論文の読解ができなければお話になりませんので、最低限の実力は身につけておきたいものです。

ここでは、私が実際におこなった英語勉強法をご紹介します。

まず、研究室訪問で先輩学生からもらった、高校生向けの最難関大学受験用の古い英語問題集をひたすら解き続けました。

次に、こちらがおすすめのやり方なのですが、海外旅行の際に購入した英語の専門書を使って専門科目の勉強をしました。

まあ、これは日本語の参考書で適切なものがなかったのもあるのですが、和訳しないと専門科目の勉強できない環境をつくることが、絶好の英語対策になったと思っています。

それに加えて、自分の興味のある内容が書かれているページを選び、一日一ページをノルマに全訳する和訳トレーニングもしていました。

大学院の英語試験はその研究科で学ぶ内容と関連した英文が出題されることが多いため、この方法は良い対策になります。

 

なお、私が使用したのは生物学系の専門書で、実際の院試では「生態系と最高次捕食者」という内容の英文問題が出題されたため、専門科目だけでなく英語試験でもこの勉強法が大変役立ちました。

 

⑥面接対策

ほとんどの場合、面接試験は志望理由がしっかりしているかの確認となります。

皆さんはわざわざ大学や専攻を変えてまで、大学院で研究をしたいという方だと思いますので、このあたりは問題ないと思います。

「なぜこの大学院を志望するのか」「なぜ専攻を変えるのか」は必ずしっかりと答えられるようにしてください。

私は論理的におかしいところがないかどうか、信頼できる大学の友人に聞いてもらいました。

また、私が面接で聞かれて盲点だったものに「他にはどこの大学院を受験したり研究室訪問しましたか?」というものがありました。

ここは正直に答えたのですが、大学院側からすれば優秀な学生を確保したいでしょうし、せっかく合格通知を出しても入学してくれない可能性を憂慮していたのだと思います。

しかし、ここは就職活動の面接と同じです。

「他の大学院も検討しましたが、貴学が第一志望です」と明言して良いと思います。

実際に進学するかどうかは、合格通知をもらった後で考えればいいのです。

 

ただし複数の大学院から合格をもらった場合、辞退するほうの教員には必ず丁重に感謝とお詫びを伝えることを忘れないようにしてください。

今後同じ学会でお会いする機会もあるでしょうし、あなたが学術雑誌に投稿した論文を査読するのは、もしかするとその教授かもしれないですからね。

 

⑦他大学・他分野の大学院を目指す人が読むべき本

最後に私が思う「他大学・他分野の大学院を目指す人が絶対に読むべき本」をご紹介します。

この本は私が学部生時代に参考にしてとても役に立ったものです。

書店でこの本の初版を偶然見かけて手に取ることがなければ、私はわざわざ国立大学の大学院を受験しようとは思わずに、最初から諦めていたかもしれません。

学部生の段階ではまだやりたいことや将来のビジョンがはっきりとしていない人も多いことでしょう。

せっかく大学院でさらに知識を深めたいという旺盛な知的好奇心をお持ちなのですから、卒業研究でも満足のできる結果を残してほしいと思います。

そんな学部生時代から大学院進学後にかけて大変役立つ内容が、第一線の現役教授である著者の経験を踏まえてこの本にはわかりやすく書かれているのです。

教授の選び方、研究テーマの決め方から、論文、学会発表、留学の仕方まで網羅されており、理系で他大学・他分野の大学院を目指す人ならば、もはや理系研究者のバイブルともいうべき書ではないでしょうか。

しかも、私が現役学生だった頃からは内容が全面改訂され、現在は第2版が出版されています。

まだ読んだことのない方がいらっしゃれば、絶対に一度は手に取って内容を熟読いただきたい本です。

講談社のブルーバックス・シリーズなので、手軽で読みやすいのも良いですよね。

おすすめです。