朱鞠内湖は道北の雨竜郡幌加内町にある広大な人造湖です。
山間部に流れ込む複数の川を堰き止めた雨竜ダムによって形成されていますが、人造湖とはいっても戦前から戦時中にかけて造られたもので、さらに本州で一般的なダム湖とは異なる独特な景観を有しています。
私が初めてトラウトフィッシングに挑戦したのも朱鞠内湖であり、人生初のイトウを釣って以来、毎年足を運んでいるお気に入りの場所でもあります。
今回は、朱鞠内湖の魅力についてお伝えしたいと思います。
①イトウが「幻の魚」ではない湖
まず、大型のサケ科魚類であるイトウが数多く生息しています。
現在、北海道でもイトウの個体群が安定して維持されているのは、ここ朱鞠内湖のほか猿払川などの数か所のみのようです。
一般に「幻の魚」と称されるイトウですが、朱鞠内湖で数日間釣りをすれば結構な確率で出会うことができ、決して幻ではありません。
近年では1メートルを超える大型魚もコンスタントに釣られており、メーターオーバーへの夢が膨らむのではないでしょうか。
朱鞠内湖は、多くの人の努力によってイトウの保護とゲームフィッシングが両立されている、稀有な場所であると思います。
キャッチアンドリリースや、シングルバーブレスフックの使用が義務付けられるなどの遊漁規則をしっかりと守り、敬意を忘れないようにしたいものです。
②宿泊施設と渡船サービス
朱鞠内湖の湖畔には、「レークハウスしゅまりない」というロッジとキャンプ場、レンタルログキャビンなどの宿泊施設があり、キャンプ場での車中泊も可能です。
また、車中泊の場合でも、有料で食事や入浴といったロッジのサービスを利用することができ、釣り旅行に必要なインフラ設備が充実しているといえるでしょう。
そこには、限られた人しかいけない。幻の魚が棲む[北海道・朱鞠内湖]公式ウェブサイト…
朱鞠内湖で釣りをする場合、ポイントへのエントリーは、徒歩と持ち込みボート、渡船の利用といった方法が考えられます。
道路から直接入れるポイントや、キャンプ場前でも釣りをすることができますが、やはり渡船を利用するのが良いでしょう。
また、持ち込みボートでは、立ち入り制限区域が設定されています。
渡船では、このエリア外の島や岬などのポイントまで送ってもらうことができます。
個人的には、道外から訪れる際はロッジに宿泊されることを強くおすすめします。
無論、人により価値観は様々ですが、釣りから帰ってすぐに冷えた体をお風呂で癒し、温かい食事が食べられるのは最高の環境ではないでしょうか。
提供される食事もダッチオーブンを使用するなどこだわっており、それでいて価格も良心的なうえ、ロッジのスタッフさんも皆親切なので、私は毎年ロッジでの食事も楽しみの一つにしているのです。
③独特の景観と雄大な自然
朱鞠内湖独特の日本離れした雄大な風景には、魅力を感じる人も多いのではないでしょうか。
アラスカのようだと言う人もいれば、人によっては北欧のフィヨルドのようだとも言います。
もっとも、私はどちらも行ったことがないので、比較はできないのですが。
また、渡船では多くの釣り人と乗り合わせても、広大な湖の各ポイントに散ってしまえば、人の気配など全く感じられません。
海の堤防や管理釣り場などのように、入れるポイントがないということはまず無いので、自分だけでじっくりと腰を据えて釣りを楽しむことができるでしょう。
ある11月の午前には、ダイヤモンドダストが舞い散る静寂の中、一人きりで釣りをするという経験をすることができました。
ただし、その時はキャストの度に全てのガイドが凍りつき、都度氷を除去しなければならない事態に陥りましたが。
景色は綺麗でしたけど。
こんなにも素晴らしい環境で釣りができるのですから、道外から一度は訪れてみる価値はあると思うのですが、いかがでしょうか。