CATEGORY

エッセイ

  • 2021年7月20日

誰も得しないなめろうの作り方

人生においては誰でもどんな経験でも最初の一回というものがある。 釣りでの初めてのキャスト、ゴルフのファーストスイング、最初に作った料理も然り。 それらを映像や写真として形に残すこともあるが、文章の場合も当時の形を留めたままだ。 しかし、過去の偉人のように手記と […]

  • 2021年7月5日

沖縄の妙技スルルー釣り

世界には数多の釣りがあり、原始的なものから最新の道具を駆使したものまで多種多様であるが、やはり単純で古典的なものほど奥が深く、どこか気品すら感じさせ、そして面白い。   沖縄発祥とされるスルルー釣りも、そんな釣りのひとつだ。 仕掛け自体はフカセ釣りの […]

  • 2021年6月20日

Mink,Minsk,Sakhalinsk

釣りをしていると、思いもかけない出会いをすることがある。 無論、それは人だけではない。 これは、阿寒湖の大島で野生のミンクと遭遇したときの話だ。 ところで、ミンクってどうしてミンクというんだろう。 そんなことを考えながら当時のことを思い返していると、東欧にある […]

  • 2021年6月12日

二人のUGUI KILLER

北海道でルアーフィッシングをしていると、しばしば招かれざる獲物と遭遇することがある。 銀鱗を輝かせながら、特徴的な尖った吻の口でサッとルアーを掻っ攫っていき、適当にリリースされても颯爽と湖に帰って行く。 如何にも外道然とした魚。それがウグイである。   […]

  • 2021年6月8日

藤原島の徒労

釣りにはさまざまなジンクスや定説があるが、朱鞠内湖では「最初に渡船を降りた場所が釣れる」と、まことしやかに囁かれているものがある。 これは、数々の苦難とともに、私が身をもって証明してしまった事実である。   二〇一九年の春、珍しく目ぼしいポイントには […]

  • 2021年6月7日

Fujita Stumpの奇蹟

朱鞠内湖にはハッスル岬と呼ばれる場所がある。 個性的な掛け声をする格闘家がここで釣りをしたことから、その呼び名が付いたそうなのだが、この岬にはさらに“Fujita Stump”と呼ばれている(というよりは勝手に呼んでいる)ポイントがある。   “St […]

  • 2021年6月6日

5th diebus Shumarinai Ⅲ

今日の目的地はnamako2という場所に決まった。 おそらく前浜からは結構遠かったはずだ。 正直この寒さの中を長時間渡船で風を切ることになるなんて、あまり喜ばしい事態ではない。 そんな事を思いながら今朝も数人の釣り人達と同舟して出航する。 去年、初めてのイトウ […]

  • 2021年6月5日

5th diebus ShumarinaiⅡ

朱鞠内湖の朝は早い。 身支度を整えて湖岸の漁協へ降りて行くと、既に数人の釣り人達が集まっていた。 漁協で渡船の希望場所を聞かれるも、Mさんに選定を任せるつもりだったのでその旨を伝える。 「え、Mさん来てるんですか?!」 やはり有名人のようだ。無理もない。 この […]

  • 2021年6月4日

5th diebus ShumarinaiⅠ

出発の日の朝は今や住み慣れた常滑の古いワンルームにいつもと変わらず訪れた。 窓の外では慌ただしく出社してゆく同僚のものと思わしきヒールの音が響いている。 この日を待ち焦がれて五月の大型連休の仕事を乗り切ったのだ。 世間にとっての連休の終わりが、即ち我が休暇の始 […]